私たちは、平成15年に開局し、現在まで医薬分業の変遷とともに歩んでまいりました。現在は、医薬分業もほぼ達成されたといわれ、また、薬剤師の臨床教育の重要性から薬学教育6年制に伴う実務実習が開始され、薬剤師の臨床能力の向上が図られました。薬剤師の職能も薬剤調製を主とする調剤(対物)業務から、患者様個人毎の薬物治療の有効性・安全性を重視する服薬指導や在宅医療のような対人業務にシフトしております。 一方で、日本は超高齢化社会を迎え社会保障費の増加が大きな課題となっております。超高齢化社会に対応する現行の医療環境では医師等が不足するため、国は「地域包括ケアシステム」を導入して、地域で医療機関、薬局、訪問看護ステーション等、多職種の連携のもと包括的に医療、介護を担う社会保障基盤を確立しようとしております。さらに、国が進める「健康サポート薬局」制度では、在宅医療に加え、病気の予防や健康維持のサポート、かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局として、服薬情報の一元的・継続的な把握、24時間対応、医療機関との連携が求められております。 また、薬物治療の進歩により、高度な薬学管理も求められ、専門薬剤師や認定薬剤師制度の創設、薬剤師の質の担保のため日本薬剤師会が実施している生涯学習支援システム等、薬局や薬剤師の置かれている環境は、今まさに大きな転換期を迎えていると言えます。 この様な状況下において、患者さまにより質の高い細やかな医療サービスを提供できるように自己研鑽を積み、そしてこれまで以上に患者さまや医療従事者とのコミュニケーションを大切にし健康増進に寄与して参りたいと思います。